認知

クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡―デザイン行為の意味を問う 単行本 – 2015/6/27 長坂 一郎 (著)デザインの究極的な目標は形だ。すべてのデザインの問題は、次の二つの実在の間に適合性をもたらそうとする努力から始まる。その二つの実在とは、求…

人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)

途中まで。ポイント ・行動主義心理学のおなじみジョーク 行動主義者はセックスのあとでなんと言うか。 「いまのは君にはよかったね。僕にはどうだったんだろう」・文化あるいは文明の実体は社会的伝統であり、社会的伝統は人間がともにより良く幸福に生きる…

生物から見た世界 (岩波文庫)

これは良い本だ。 ・人間の瞬間は18fps 一秒に18回以上の振動は聞き分けられない。単一音に聞こえる。 一秒に18回以上の皮膚をつつくと一様な圧迫として感じる。 映画は一秒に24フレーム変わる。・ミツバチが花の形で蕾か咲いているか判断したり ヤドカリが…

構造主義 (講談社現代新書 171)

人間、構造体を認識しないことはないように思う。自然界にあるもの全て構造で、森の木も土から幹があって枝がでて葉が生えて実ができる。実を採ろうとしたらその構造を一つ一つ認識してクリアしなければ。川だって上流から下流に流れるなかに魚がいるわけで…

サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)

前著「サブリミナル・マインド」を読み直すべし。 以降メモ ・感動 小説が何百ページもかけて伝える感動を音楽は数分で伝える。富士山は一瞬で伝える。 感動の質の問題。 ・言語、音楽の起源は同じガオーです。情動の表出としてあります。音楽のほうが感情を…

ヒューマンエラーを防ぐ知恵 (DOJIN選書)

memo 問題の捉え方6法 1前提条件の問題だ→しなくて済む方法を考える 2やり方の問題だ→計画改良、作業手順改良 3道具装置の問題だ→道具の改良 4やり直せれば良い→回復手段の設定、採算計画 5致命的でなければいい→採算計画、非常用装備 6認識の問題だ→…

人はなぜ道に迷うか (ちくまプリマーブックス)

UIの考えどころ、勘どころ。・道に迷わない3つの条件。 1.状況把握。目の前の風景 2.地図の読者図。記憶のなかの風景 3.現在位置を同程する判断。 ・対象を遠近法的に感じることは、世界の内側にいるという感覚となり、自分が世界の中心だという意識につ…

ちょっと本気な千夜千冊虎の巻―読書術免許皆伝

違う世界を覗きたいなと思ったときに眺めるように読む本。違う世界の扉がズラリならんでいる。 memo・本を食べるように読む、ワインを飲むように読む、百メートルを走るように読む。 ・ウィトゲンシュタイン 語りうることは明瞭に語られうるが、言えないこと…

「わかる」ということの意味 新版 (子どもと教育)

?何のためのわかるのか-文化的実践への参加- の章がいいですね。何のためなのか!重要です。メモ ・わかっている人とは、与えられた課題を与えられたものとみなさないで自分自身でわかるべきことを設定することができる人。目標の再設定ができる人。 ・わか…

身体化された心―仏教思想からのエナクティブ・アプローチ

ざっと読み。認知科学者の経験主義回帰。 memo ・認知とは、心的表象である。 ・認知科学の概念チャートはおもしろい。 ・世界はいかにして存在するか、我々とはなにか、我々はいかにして世界を知るようになるか そう、この問いに答えを! ・この本、エナク…

自由の哲学 (ちくま学芸文庫)

難しいので途中までしか読んでません。この人は広く深いようです。 ・意識的な動機と無意識的な衝動の問題。自由と偶然と必然と。 ・自分が世界、宇宙と独立した存在だと考えるようになると、それを統一するために宗教や科学や芸術を発展させる。自分にはな…

心のシミュレーション―ジョンソン・レアードの認知科学入門 (新曜社認知科学選書)

人を計算式に例えられるという立場に立って見れる本。難しいようです、計算式も、この本も。 memo ・機械論的立場にたった認知科学。心はコンピュータ、眼はカメラ、ネジが細胞などなど。わかりやすいものに例えると、理解できたように感じるけれど、それは…

人はなぜ話すのか―知能と記憶のメカニズム

翻訳がいまいち。事例物語が読みにくくて。この本で想起するのは、松岡正剛の編集工学。 ・要点よりももっと伝わる、共感してもらえる方法。それはエピソードを交えた話しかも。要点よりも伝わるのかも。 ・同じ話しをする爺さんよりも、適材適所に話しをす…

「脳」整理法 (ちくま新書)

偶有性 と 世界知と生活知 という切り口で。メモ ・偶有性 半ば偶然半ば必然に起こること ・ニュートン 私が遠くを見ることができたのは、巨人の肩に乗っていたからだ。 ・科学から得られる世界知と私たち生活知との溝が、〜すべし、という倫理感に根付くよ…

内臓のはたらきと子どものこころ (みんなの保育大学)

小さい子どもがいる人に読んでほしい本。memo ・コップを見て丸いと感じる。これはサルには見られない。子どものころの舐め回しの生命記憶が根強くある。 ・ここからそこまての距離感も、エッチラオッチラ這った運動の生命記憶。すべての感覚と運動が生命記…

子どもの認識と感情 (1975年) (岩波新書)

子どもを見れば大人が見えてくる。 memo ・子どもの認識 第1段階 傾向 第2段階 快・不快 第3段階 規制 第4段階 対人感情 第5段階 意志 第6段階 性格 ・ピアジェ 物の認識とは、その物を変形させること。変形のプロセスを理解させることが真の認識。例え話し…

DNAに魂はあるか―驚異の仮説

視覚的知覚を、心理学、脳科学、神経生理学の側面から描いている。意識ってなんだろう。 メモ ・ウィリアム・ジェームズ 思考 思考が個人的意識の一部になる。思考には注意が伴う。 ・ジャケンドフ認知心理学者 意識は知覚から引き出されるものでもハイレベ…

魂(ソウル)から心(マインド)へ―心理学の誕生

19世紀の話が主。形而上学と哲学と心理学と生理学と医学と精神物理学と・・・・いろいろ認知科学の基がある。 メモ ・チャールズ・ダーウィンの祖父エラズマス・ダーウィンは心理学者だった。 ・メスメリズム 1774年、メスメルは痙攣の発作に苦しむ女性を…

脳と身体の動的デザイン―運動・知覚の非線形力学と発達 (身体とシステム)

新生児の研究はおもしろそうだ。人間の本質が隠されているようで。memo ・リミットサイクルアトラクタ ある安定した振動を保つ。外乱があって一時的に大きくなったり小さくなったりしても、いづれバランスを保って基に戻る構造。2変数の微分方程式で表せる…

知の編集工学 (朝日文庫)

なるほどなるほど脳とハイパーテキスト。 メモ ・人間にできてコンピュータに難しいこと 1*感情を基にした行動。やる気があれば仕事がはやく、愛があれば苦労もいとわない。 2*ふり、なりきり。何か誰かを連想して情報を呼びだし行動する。アフォーダンスの…

「学び」の構造

どんな子どもに育ってほしいか考えている親とか、中学高校で勉強する意味を考えている青年とか、社会人になって学ぶことを忘れてしまった人とか、科学信奉者とか、にお勧め。 メモ ・学べない人間の価値観 1*勉強作業として捉える作業的学習観 2*考えること…

眼の冒険 デザインの道具箱

考えを浮遊させるのには良い書。 メモ ・日本文化は垂直より水平、縦より横の文化。かつて横ストライプはあったが縦ストライプはなかった。横を重視する社会だった。 ・ 縦ストライプは室町時代に海外貿易によってもたらされた。輸入品を島物とよび、そこか…

還元主義を超えて―アルプバッハ・シンポジウム′68 (1984年)

ジャン・ピアジェ(発達心理学) ポール・Aワイス(生物学、発生学、分子生態学) アーサー・ケストラー(思想オーアガニスト、ジャーナリスト) の論考がおもしろかった。 ・「サイバネティクス」 コミュニケーションと制御に関する理論。情報伝達とフィー…

脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)

すごい角度で脳と身近な疑問を結びつけている。面白い。 メモ ・「JBホールデン」世界がくちはてるとすれば、それは驚異がなくなったときではなく、驚異を感じる心がなくなったときだ ・チフス患者は焼きたてのパンの匂い。風疹はむしったばかりの鶏の羽の匂…

意識とはなにか―「私」を生成する脳 (ちくま新書)

やさしい問題を難しい問題として捉えることで、やさしい問題がよりリアルに感じられる。 メモ ・「哲学的ゾンビ」 現代科学は人間をあたかも哲学的ゾンビであるかのように扱っている。客観性を根源とする限り、そう扱わざるを得ない。 ・心と脳、精神と物質…

サイエンス・パラダイムの潮流―複雑系の基底を探る (丸善ライブラリー)

視点が高く、広い。科学全般のパラダイムを見るにはこのくらいの視点の高さが必要なのだろう。 メモ ・「黒崎政男」 神学 → 哲学 → 自由学芸(科学)→ テクノロジー ・「西周」 にしあまね サイエンスを科学、フィロソフィを哲学と造語した人。 ・科学の語源…

考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)

心理学が科学的に考えようとすると、数学的統計に頼らざるを得ない。ここで認知心理学の限界。 数学的概念にはないものが心理(思考、意識)にはあると思うが、ここは脳科学にバトンしてしまった。 メモ ・「スキーマ」 ある対象について持っている概念的な知…

人を賢くする道具―ソフト・テクノロジーの心理学 (新曜社認知科学選書)

認知科学、認知心理学者ノーマンが語る道具としてのソフトウェア。 メモ ・アーティファクト≒概念モデル≒メタ表現≒メタファ ・「シモン」 問題を解くとは、解が自然に浮かびあがるように問題の表現を作ることにほかならない。 ・サイコロ 表現がまずければ、…

ヒトの発達とは何か (ちくま新書)

赤ちゃんから学ぶ、人間の本質。 メモ ・赤ちゃんの随意運動の順番は1追視 2首すわり 3腕を顔に持っていくハンドリガード、手をじっと見つめる 4手足と体幹をまげて足をなめる 5腹這いで上肢を反らす 6体を垂直にすると床をピョンと蹴る 7寝返り ・随意運動…

暗黙知の次元 (ちくま学芸文庫)

物理化学・社会科学者が、思考・知の暗黙領域を哲学的に模索する書。科学の倫理・科学では語られない・暗黙的知を解く。 メモ ・知っている と できる の差、対象を知っているKnowing What と方法を知っているknowing how の差にあるものが暗黙知である。 ・…