2005-01-01から1年間の記事一覧

新版 自然界における左と右

自然界の法則を対称、非対称でひもとく本。 非常に面白い。 メモ ・らせん形を含んでいるものは全て非対称である。 ・「子供」 人はインクのシミでできる鏡像や万華鏡を美しいと感じる。そのなかにある秩序を美しいと観る。 中世のエジプト芸術や宗教画も左…

うずまきは語る―迷宮への求心性 (Fukutake Books)

渦巻きに関する事柄を離散的にまとめたもの。 離散的ではあるが、渦巻きという不思議性で一本につながるところが面白い。 メモ レオナルド・ダヴィンチの水流図解絵 ゴッホの糸杉と渦巻星雲の絵画 盆踊り 日本書紀の神々の神話 対極図 曼荼羅 箸墓古墳・三輪…

ナレッジサイエンス―知を再編する64のキーワード

知識、情報をうまく操ることを考える際に将来性のあるキーワードを一覧するための本。 これからの社会に知識をどう活かすかという視点で傍観できる。 深堀はない。それはそれでそういう本だからしょうがない。

7つの習慣-成功には原則があった!

成功の為のうわべだけの方法論ではなく、倫理観・精神論を構築する為に勉強になる本。 ・「パラダイム」 自分のパラダイムを現実にすりあわせ、他の人の意見やパラダイムに耳を傾けること。 ・人格主義は、人生を支配する原則が存在するという基本的概念。物…

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

5回泣きました。母に電話しました。

人を動かす 新装版

この本は章のタイトルがすべてかな。気持ち良く読むには事例が多すぎる。ちとクドイ。 =====人を動かす原理===== ・盗人にも五分の理を認める ・重要感を持たせる ・人の立場に身を置く =====人に好かれる法===== ・誠実な感心を寄せる ・笑顔を忘れない ・…

かたち誕生―図像のコスモロジー (万物照応劇場)

神戸芸術工科大学 教授の著。宗教的ではあるが興しろい。 ・「左回り」。左の渦巻、左回りは日本では非日常な場であった。大相撲で横綱や力士が土俵を左回りに足を運び、夏祭りの盆踊りは左回りの輪をつくる。しめなわは左巻きに編み左回りで神を招く。左回…

唯脳論 (ちくま学芸文庫)

感銘を受けた文章。 ・脳の未来像は2つある。1つは計算機との接続で、これは両者のインタフェースの性質に依存するところが多きく、計算機からの結果を脳へ接続する(臓器を人へ繋ぐ)のだからうまくなかなかうまくいかない。 第2の方向は、ヒトの脳その…

精神と物質―意識と科学的世界像をめぐる考察

シュレーディンガーの名著。 生命、意識について物理学の立場から一歩踏み込んだ形而上学的な思索をも書かれている。ずっと疑問に思っている思考がほぐされる感覚になる。何度も読んで損はない。 ・意識とは生命体の修練を監督する指導者のようなもの。 ・意…

自由は進化する

決定論、進化論、唯物論などを説きながら自由と責任について語った本。 自由と責任は進化の過程で作られた。 デネットの本は、回りくどい比喩的論述が多くて読みにくい。好きではない。

「裸のサル」の幸福論 (新潮新書)

動物行動学者が語る幸福。 狩猟文化と農耕文化、一神教信者と無神論者。 あまりにも平等性を欠く論述。幸福については、様々な論点もあり一概に論述するのは危険だと思います。 著者は客観的事実を書いているつもりなのだろうか。であれば学者失格です。イン…

赤ちゃんには世界がどう見えるか

発達心理学の観点から、新生児の認知特性、感覚特性、心理、自覚を語った本。 眉唾だな〜と思ったところがたくさんあった。 特にアインシュタインの相対性理論の光の速さCを取り上げながら時間と空間認知を、新生児の脳の情報伝達の早さと絡ませながら語っ…

いちばん大事なこと―養老教授の環境論 (集英社新書)

解剖学者が環境を語った本。 ・「ああなれば、こうなる」は、形式化された脳の思考のこと。つまりはシミュレーション人間。コンピュータができてからは、これをコンピュータにやらせるようになったが、そこから発見されたのがカオスである。 ・経済は要する…

ジャンケン文明論 (新潮新書)

アジア人の三すくみ観念について語った本。 中庸・寛容が大事。 ・「世界」とは「世代」つまり時間と、「境界」つまり空間の概念。時間と空間が相補的に関係しあった意味だ。「宇宙」も同じ。宇は限りない空間を意味し、宙は無限の時間を意味する。西洋のWOR…

HAPPY NEWS

ヒトを幸せな気分にさせる新聞ネタを集めた本。 暗いニュースばかりがニュースではないのだ! 明るいニュースも知りたい今日この頃。 一部内容から 阪神タイガースの赤星選手は、自分が盗塁を1回決めるごとに1台の車椅子をプレゼントしているのだそう。2…

タオ自然学―現代物理学の先端から「東洋の世紀」がはじまる

ニューエイジサイエンス。精神と物理、宗教と科学を結合させた本。 ・ソクラテスは言う「自分が何も識らないことをわたしは識っている」老子は言う「識って識らないのが最上である」 ・科学に見られる合理的知識は日常の事象や経験を、区別、分割、比較、測…

他力 (講談社文庫)

なんとなく読んだ本。 ふーんと思ったコメント ・「同治、どうじ」 病は治すものではなく、病と共に生きていくという考え方(仏教用語) ・「然、しからしむ」とは、人のはからいではないこと。方言のしからしいは、ここから来ているのかな。 ・五木寛之は、…

14歳からの哲学 考えるための教科書

自分の中の哲学的?を初歩的にカテゴライズしてくれる本。 ・社会とは 人は社会が自分の外に、自分より先に、存在するのだと思っている。思い込んでいる。しかし、そう思っている社会は、そう思い込んでいる人ばかりの集まりでもある。その人々の集まりを「…

なぜ美人ばかりが得をするのか

進化論・芸術的美意識を通して、美しいとは何かを知るための本。 ・シンメトリな動物は高い成長率と繁殖能力をもち、寿命もながい。 ・くびれたウエストは、ヒップに対するウエストの割合0.7であり、マリリンモンローもオードリーヘプバーンも0.7 ・普遍的な…

日本の「哲学」を読み解く―「無」の時代を生きぬくために (ちくま新書)

西田幾多郎 和辻哲郎 九鬼周造 三木清 の概略がわかる本。 ・九鬼は「いき」を垢抜けして諦め張りのある意気地色っぽさ と定義する。いきは自他を縛るしめった情愛を切捨てた自由なる浮気心である。 ・三木清は、制度、つまり道徳や習俗、法律、政治、言語、…

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで

ビックバン・ブラックホールの理論からすべての起源を知るための本。 ・宇宙がビックバン、すなわち時間のはじまりを持たねばならないと一般相対性理論は予測しているのか・・・これに対してロジャーペンローズは答えた。一般相対性理論における光円錐のふる…

HQ論:人間性の脳科学―精神の生物学本論

IQ=知性の包括版としてのHQ(人間性知性)を脳科学を軸にして発想した本。 要点 ・HQ(HumanityQuotient)=人間性知性 ≒人間らしさ ・人間性の構成要素3つは、 1.将来に向けた展望・夢 未来性志向(future-intending) 2.高度なワーキングメモリ能力(h…

時間の矢、生命の矢

化学、物理学、量子力学、カオス理論、宇宙理論といったものから時間の不可逆性や生命とは何かを考察した本。 まとめメモ ・量子場の理論の大きな欠点の一つは、重力を扱えないこと。その場合に生じる無限大は、くりこみを使っても理論数学的に消すことがで…

はじめての宗教学―『風の谷のナウシカ』を読み解く

ナウシカを材料に宗教学の基礎を学べる本。 ・五行説とは 古代世界では広い範囲で、地・水・火・風は宇宙を構成する根源的な要素、つまり「四大」とみなされていた。この場合、地・水・火・風は、地・水・火・風という物質を意味しているのではない。地は地…

強いリーダーはチームの無意識を動かす

なんとなく読んだ本。 まとめメモ 「自分に何ができるのか?」「何に向いているのか?」「何がしたいのか?」自分でもわからない・・・から表にでない。 「おまえ、何がしたいんだ?」「どうなりたいんだ?」と訊いてみる。一緒に探してあげる。 ・ザイガニ…

自己組織化とは何か―生物の形やリズムが生まれる原理を探る (ブルーバックス)

生命がもつ美しい幾何学的模様に興味があって読んだ本。 まとめメモ ・自己組織化は、カオスとならび複雑系の二本柱のひとつ。 複雑系----ある系が複数の要素からなり、各要素がそれぞれのルールでふるまう、と同時に、互いに相互作用する。これらの要素の集…

パラダイムの魔力

パラダイムの存在に気づき、行動心を煽る本。 メモ 多くの場合、パラダイムは目に見えない。それは「いつもやっていること」だから。無意識にやっていることも多い。それでも、かなりの程度、行動を決定するのはパラダイムである。白人の男性は、白人男性社…

人はなぜ感じるのか?

生物学的進化の帰結としてのアフェクト・感情・情動を考察した本。 感銘を受けた文章の抜粋。 ・糖分は単純に美味しいと感じる。 しかし、甘さは砂糖分子の性質ではない。それは進化で生じた脳の創発的性質である。ありは甘さを感じているわけではない。 ・…

木を見る西洋人 森を見る東洋人思考の違いはいかにして生まれるか

東洋人と西洋人の認知についての違いについて論じた本。 生まれか育ちかという論争が遺伝学や心理学で繰り返されてきてよく知られた言葉である。「柔らかな遺伝子」マット・リドレー著によると「生まれは育ちを通して」ということになる。つまり、人の人生や価値…

ゾウがすすり泣くとき―動物たちの豊かな感情世界

多くの動物行動学者は、動物に感情があるということを学術的に論じたくないようだ。動物に感情があることを認めるということは、動物の感情に共感し、さらにその感情が人間のもつ感情と同等のものであることを客観的に論じなければならない。犬がご主人に尻…