生態

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

動物の時間はそれぞれ違う。人に流れる時間もそれぞれ違うと思うと気楽になる。・哺乳類の心臓の鼓動は一生に20億回。象であろうとネズミであろうと20億回。息をスーハーする回数は5億回。 ・大きいものはちょっとした環境の変化にものともせず、長生きでき…

動物の行動から何を学ぶか (1974年) (講談社現代新書)

何のため、誰のためという問いかけは、常に動物の世界を外から把握しようとするもの。ではデザイナーの何のため、誰のためと問いかけはユーザーの外から眺めているんだ。入り込む必要があるということ。メモ ・モーションに見える生理学実験 融合視とか臨海…

本能はどこまで本能か―ヒトと動物の行動の起源

途中まで。memo ・本能instinctの語源は、刺激する、促すという意味のinstinguoというラテン語 ・遺伝子は楽譜のようなもの。演奏者がいて初めてなる。しかも演奏者は楽譜を書き換えながら演奏している。 ・本能とは何か 本質とは何か 影響とは何か 原因とは…

ちょっと本気な千夜千冊虎の巻―読書術免許皆伝

違う世界を覗きたいなと思ったときに眺めるように読む本。違う世界の扉がズラリならんでいる。 memo・本を食べるように読む、ワインを飲むように読む、百メートルを走るように読む。 ・ウィトゲンシュタイン 語りうることは明瞭に語られうるが、言えないこと…

内臓のはたらきと子どものこころ (みんなの保育大学)

小さい子どもがいる人に読んでほしい本。memo ・コップを見て丸いと感じる。これはサルには見られない。子どものころの舐め回しの生命記憶が根強くある。 ・ここからそこまての距離感も、エッチラオッチラ這った運動の生命記憶。すべての感覚と運動が生命記…

知の挑戦―科学的知性と文化的知性の統合

著者は究極の科学信奉者、物質主義者。すがすがしいほどの。脳科学と進化生物学が知の統合に大きな役割を果たすと言っている。間違いではないだろうが、芸術や文化が説明できるにはほど遠い。説明できたとしても、それは知識であって体験ではない。だからな…

風土―人間学的考察 (岩波文庫)

まだ途中。ちと早かったか。メモ ・人間の根本構造 1*個人であり社会であること 2*空間性と時間性を持つこと 3*風土性と歴史性 ・モンスーン域に住む人間は湿気と熱さに苦しむ。しかし、それに対抗心はよびおこされない。湿気は太陽が海の水を運び、大地の植…

還元主義を超えて―アルプバッハ・シンポジウム′68 (1984年)

ジャン・ピアジェ(発達心理学) ポール・Aワイス(生物学、発生学、分子生態学) アーサー・ケストラー(思想オーアガニスト、ジャーナリスト) の論考がおもしろかった。 ・「サイバネティクス」 コミュニケーションと制御に関する理論。情報伝達とフィー…

ネオフィリア―新しもの好きの生態学 (ちくま文庫)

「スーパー・ネイチャー」を書いた動物生態学者ワトソンがブルータス誌に連載した文章をまとめたもの。深くは突っ込んでいないので、読み物としてさらっと読めるが、内容は考えると深い。 メモ ・「ライオンとトラ」 ライオンは生まれつき怠け者。トラは新し…

「裸のサル」の幸福論 (新潮新書)

動物行動学者が語る幸福。 狩猟文化と農耕文化、一神教信者と無神論者。 あまりにも平等性を欠く論述。幸福については、様々な論点もあり一概に論述するのは危険だと思います。 著者は客観的事実を書いているつもりなのだろうか。であれば学者失格です。イン…

ゾウがすすり泣くとき―動物たちの豊かな感情世界

多くの動物行動学者は、動物に感情があるということを学術的に論じたくないようだ。動物に感情があることを認めるということは、動物の感情に共感し、さらにその感情が人間のもつ感情と同等のものであることを客観的に論じなければならない。犬がご主人に尻…