知の編集工学 (朝日文庫)

なるほどなるほど脳とハイパーテキスト


メモ
・人間にできてコンピュータに難しいこと
 1*感情を基にした行動。やる気があれば仕事がはやく、愛があれば苦労もいとわない。
 2*ふり、なりきり。何か誰かを連想して情報を呼びだし行動する。アフォーダンスの導入。イス化、机化、田村正一化。
 3*部分と全体をあいまいにしながら行動する。情報を仮り留めしておいて、あとから判断を加える。
 4*問題解決法を自ら発見する。ヒューリスティックをすること。
 5*自然言語の使用。ルールの自らの変更。仮説から答えを逆算すること。類似を捉える範囲が狭い。象徴化。など。
・学習とは、自分が学習したいという欲求を満たすべき舞台の設定によって、生き生きと駆動するもの。
・学習には相手が必要。それが母親だったり先生だったりノートだったり自分の未来像だったり。
・脳の中は、知識やイメージを無数の図のリンクを張り巡らしているハイパーリンクになっている。
・情報はエントロピーの逆数と定義できる。エントロピー=でたらめさ加減、無秩序の度合い
・「ウェルトハイマー」 指の文節化は言葉の発生に関係がある。赤ちゃんの手のひらを押すと口が開く。
・先に生命があって情報が工夫されたのではない。先に情報があって、その情報の維持保護のために生命が考案された。
・記憶を再生するときに誰もがやっている要約は、メカニズムがまったくわかっていない。
・ハードの情報化(情報技術)とソフトの編集化(文化技術)の両輪で情報文化技術。パルテノン神殿がハードでそこでもようされる演劇がソフト。
・「アラン・ケイ」 写本型ウィバリウム復活構想
 「テッド・ネルソン」 1965ハイパーメディア構想ザナドウ
・身体→知覚→イメージ→言葉→表現→コンテンツ→メディア→ディストリビューション流通→ソフトウェア→インタフェース→ハードウェア→インフラストラクチャ→ネットワーク→地域→国→地球
・1659 イギリスでパーラメンタリー・インテリジェンサー紙発行
・イギリスで発生したコーヒーハウスはジャーナリズム、政党、株式会社、広告、犯罪、クラブをつくった情報編集基地。
・1851ロンドン博覧会
 1855パリ博覧会
 1858ニューヨークにメーシー百貨店
 1848AP通信開始
・ジョンソン・レアード メンタルモデル認知科学
・編集プロセスは時間や環境や意識で変わる。それが編集とデザインの差。といっているがデザインも変わるよね。
・編集工学の方法のガイドライン
 1*コミュニケーション、記憶、再生、思考の編集
 2*編集される素材のマトリクス化3*既に存在する世界像の再編集
 4*知覚や認知メカニズム、理論の応用
 5*歴史的な情報文化技術の適用
 6*それらを総括しつつモデル化、新たな創意を導き出す
古代ギリシャからある編集技法 ミメーシス模倣、アナロギア類推、パロギア?
・ロジェのシソーラス辞典 たくさんの同義語がわかる辞典
・編集とは、カット&ペーストであり、ウの目タカの目であり、遠目近目であり、濃い薄い、かわるがわる、寄せてはかえす、行ったり来たり、かえすがえす、表裏一体、和光同塵
・編集の方針、軸5つ
 時間的編集、場面的編集、文脈的編集、律動的編集、手続き的編集
スターウォーズの物語、マザー、元型アーキタイプがある。それは単純で一本の線で右と左に分けること、つまり分けて出会いが作られ、争いが作られ、出発や帰還が出来上がる。たぶんこれは、子どもが必ず通る物語だからだ。母親から別れて個になるために歩む物語。シェマですね。
・「大・新・高」仮説 加藤典洋
・デヴィッド・ボーム レオモード 主体と客体を分断する思考のために動詞だけで認識や分析ができる文法。
・少年は、釘やボールや自転車やプラモデルを述語的に繋げて遊ぶ。置かれてるとか、あるとか、転がってるとか。そのうち自我に目覚めて、自ら置く、蹴る、壊すとなる。主語が出てくると内と外を分けてしまう。
アラン・ケイ Macはあくまで近代的自己を前提に作られている。自分でファイルをひらき自分でコピペする。デスクトップメタファは自分なりの利便性を目標とする。でも、これからは世界をメタファにする?
・知識を再編集するのではなく、ネットワーク的にグループウェア的に知識を立体的に立ち上がらせることが肝要。知識を編集するのではなく、編集を知識にするべきだ。