人を賢くする道具―ソフト・テクノロジーの心理学 (新曜社認知科学選書)

認知科学認知心理学者ノーマンが語る道具としてのソフトウェア。

メモ
アーティファクト≒概念モデル≒メタ表現≒メタファ
・「シモン」 問題を解くとは、解が自然に浮かびあがるように問題の表現を作ることにほかならない。
・サイコロ 表現がまずければ、問題を内省の必要な厄介なタスクに変えてしまう。表現がよければ、同じ問題を体験的な優しいタスクに帰るけとができる。
・人間が優れているのは、パターンを見ることであって、正確な数値比較をすることではない。
・我々は社会的な生き物であるー我々は小さなグループを形成し、そのなかでコミュニケートしたり、仕事したりすることを好む。
・音声は一時的なもの。作業記憶内に保持できる量には限界がある。
・人間の活動の重要部分は、社会的インタラクションと共有された知識、信念から生じるのであって、個人の頭の中だけでは生まれない。
・人間と類人猿のもっとも重要な相違点は、内省という思考能力。
・ちゃんとしたウソがつける、つまり相手の心を理解する。 知識や制度、宗教による教育がある。
・「マーヴィン・ドナルド」 人間の認知発達進化のステップ 1エピソード記憶の段階 2ミメーシスの段階 3神話の段階 4外部にある表現の段階
・物語は、情報と知識と文脈、そして感情をワンパッケージにする認知のための重要な手段。
・大きさや重さは測れるし、コストや時間も測れる。しかし、価値や美は測れない。喜びも痛みも、善悪も測れない。すべては主観的な概念。
・エラーは スリップとミステイクの二つに別れる。その行動が意図的かそうでないか。ミステイクは思考の誤りでありやっかい。
・トンネルビジョン=機能的固着性=認知的狭窄 一度向いた思考方向は変えにくい。
・ソフトテクノロジーの正しいアプローチは、世界の構造を変えて、どうでもよい些細なことは覚えておかなくても済むようにすること。
・情報の蓄積 検索しやすい机、ファイルキャビネット、ラベル、タグ、積み重ね、あとで読む、することリスト、作業中
・振り返ってみれば、すべての出来事が論理的に説明できるように思う。ことと、人間の行動が「こう行動しよう」と思考する前に脳がそういう信号を出していることとは関係あるだろう。
イノベーションの法則 家庭やビジネスで日常使われるようになるには、研究所でプロトタイプが動いてから10年かかる。つまり今研究所やラボで起きていることを調べれば10年先は読める。
・ジョン・シーリー・ブラウン 文化を束ねる役目の一つに、皆が同じ新聞、テレビを見て、共通の話題ができること。新しいテクノロジーで共有されるものがなくなるかもしれない。
・紙と鉛筆は構成可能なメディアになり、人間の内省を増強してくれる。
・「Dノーマン」人間が提案し、科学が探求し、技術がそれに従う。