魂(ソウル)から心(マインド)へ―心理学の誕生

19世紀の話が主。形而上学と哲学と心理学と生理学と医学と精神物理学と・・・・いろいろ認知科学の基がある。

メモ
チャールズ・ダーウィンの祖父エラズマス・ダーウィンは心理学者だった。
・メスメリズム 1774年、メスメルは痙攣の発作に苦しむ女性を治療していた。彼女の足に磁石を当てると、彼女の症状は沈静化した。
これは、宇宙的規模のものから発せられたものではなく、メスメル個人の人体の内の磁力作用によるもの、と彼は考えた。
・19世紀前半は、道徳哲学と心理学の結び付きがつよく、心理学は魂の科学だった。魂を放棄して心に置き換えて今の心理学がある。
・心理学が科学になることに成功した主理由は、人間の神学的な考え方を擁護したから。唯物論否定。
唯物論が正しいとすると、フランケンシュタインができる。科学者が物質と物質を組み合わせて組織化しても心は宿らないと。
形而上学は時代によって意味が相当違う。道徳哲学、心理学、抽象的な思弁の意味などなど。
・感覚と知覚 感覚印象と知覚信念 外からのインプットと中からのインインプット。
・伝統的形而上学=神が心を生み出したというような科学では捉えられない領域
・リードは感覚と知覚を区別して考えたが、ブラウンの筋肉感覚理論以降、感覚とは知覚に変換されるもの、感覚が連合され、記憶され、論理化されて知覚になると理解されるようになる。
・フェヒナーは自然的世界と心的世界を数学的関数で結びつけた。その裏には彼は生命と心を認める昼の世界と唯物論の世界とを結びつけようとした。
ダーウィン 人が時計を設計したようには神は動物を設計していない。
・ランゲ 私の論理学は確率の計算であり、私の倫理学は道徳的な状態の計算である。私の心理学は生理学に基づく。言い換えれば、私は厳密科学の領域内で仕事をしようと努めている。カントの純粋理性批判のように私は心理学批判をする。心理学の大半が無駄なおしゃべりや自己欺瞞である。
ダーウィン 自分が探しているのは進化の真の原因である。
・現代の科学心理学のルーツは、伝統的哲学と生理学と医学。現代哲学のルーツは、伝統的哲学と数学と論理学。
・新心理学との対決という形で記号論理学や現象学といった学問が生まれた。現代哲学は心理学から生まれたことを隠している。
・リード 運動は姿勢の入れ子であり、練習は柔軟性を獲得する。手を使ったり歩いたりすることは、無限の入れ子に入り込み、フィードバックループをつくり、反復して協調、最適化する行為だ。
・リード 経験の必要性