還元主義を超えて―アルプバッハ・シンポジウム′68 (1984年)


ジャン・ピアジェ発達心理学
ポール・Aワイス(生物学、発生学、分子生態学
アーサー・ケストラー(思想オーアガニスト、ジャーナリスト) の論考がおもしろかった。


・「サイバネティクス」 コミュニケーションと制御に関する理論。情報伝達とフィードバック、ブラックボックスで構成される概念、理論。
・「ポール・A・ワイス」 科学の歴史は形容詞を名詞に格上げすることの危険性を挙げてきた。生きている現象を記述するときは、さらに名詞を人格化したくなる誘惑が危険だ。
・「ピアジェ」論理的経験主義は物理的知識を経験がルーツだと考え、論理的数学的知識を言語がルーツだと考えて研究している。二つのルーツだと。
・論理的数学的思考には、一定の形式が備わっていて、究極には純化し定式へ向かう。しかし、物理的経験は常に混交物。純化されることはない。
・「オォディントン」 「クレオド」 精神発達は時間的割符を持った必然の道を歩む。遅くもなく早くもない最適な速さで。
・動画は、操作的思考が発達しないと理解されない。連続的な変形を知覚、記憶し心像として操作する思考は3〜8歳で形成される。
・新生児は手のひらを押さえると口が開く。親指のつけねを押さえると顎の筋肉が開く。
・子どものコップの使用は、意図があるのではなく遊んでいるように見える。問題解決の場合、目的を定めて達成する手段を見つけるが、遊びでは手段に合わせて目的が変更される。
・「コロラリ放電」 随意運動をする場合に運動シグナルの系として中枢で生じる神経シグナルのこと。
・随意運動シグナルは感覚情報と一緒にコロラリ放電を引き起こす。感覚情報によって活性化される神経はコロラリ放電によって抑制されるため、随意運動する場合、外界は静止して見える。でも運動している物をみるときはコロラリ放電が発生しない。ので外界が動いて見える。
ヒエラルキーの部分は二つの顔を持つ。下位のレベルに向けた顔は自律的全体であり、上位に向けた顔は従属的部分である。
全体を意味するホロスと粒子や部分を意味する
アブストラクト型記憶と絵巻物型記憶 テレビドラマの記憶のように記憶はほこりをかぶったアブストラクト抽象物の寄せ集め。おばあさんの顔のいぼとかマドレーヌの味とかかっこいいフレーズとかは情緒的意味あいを持つ脳裏に焼付けられたピクチャーストリップ絵巻物の記憶。
・あらゆるスキルは練習を積んで熟達するに連れ自動化されたルーティンになる。手紙を書くような複雑な行動は次々とサブスキルに分岐し、ヒエラルキーの下位レベルにつれ機械化、類型化する。タイプライターでnの字をタイプするように。
・「フロイト」 エロス-生の本能、タナトス-死の本能
 エロスは統合傾向、タナトスは自己主張傾向の末裔。
・ウィナー 情報は情報であって物質やエネルギーではない。