木を見る西洋人 森を見る東洋人思考の違いはいかにして生まれるか

東洋人と西洋人の認知についての違いについて論じた本。
生まれか育ちかという論争が遺伝学や心理学で繰り返されてきてよく知られた言葉である。「柔らかな遺伝子」マット・リドレー著によると「生まれは育ちを通して」ということになる。つまり、人の人生や価値観は、生まれた環境と育ち方の双方が関係しいてる。本書籍には東洋人と西洋人(育ちの違いによる)の思考過程、つまりは認知過程に及ぼす影響について論じている。東洋人は相互協調的な世界に生き、自己は大きな全体の一部であると捉えている。西洋人は自己は単一の自由な主体として捉えている。東洋人は周囲と調和することに価値を置き、自らを省みてそれができるかどうかを確認する。西洋人は個性に価値を置き、自分をよく見せるために奮闘する。東洋人は他者の気持ちに十分は注意を払い、人間関係の調和を保つために奮闘する。西洋人は自分自身を知ることに関心があり、公正であるためには調和を犠牲にすることをいとわない。東洋人は上下関係と集団管理を受け入れるが、西洋人は平等と個人の裁量を好む。東洋人は論争や討論を避けるが、西洋人は法律から政治、科学の領域に至るまで、討論の技法を信奉する。こういった違いは、われわれの日常生活において経験する事象と照らし合わせてもそう矛盾はないと思われる。

これらを心理学的実験の結果や科学の発展の成り立ち、道教一神教などの宗教世界、中国語と英語(名詞と動詞)といった言語の影響など様々なアプローチから認知過程に及ぼす影響を探っている。

もちろん著者はどちらかが勝っているという結論を導き出すのではなく、それぞれの強み弱みは把握し、われわれが向かう方向を探ろうとしている。


避けるが、西洋人は法律から政治、科学の領域に至るまで、討論の技法を信奉する。こういった違いは、われわれの日常生活において経験する事象と照らし合わせてもそう矛盾はないと思われる。

これらを心理学的実験の結果や科学の発展の成り立ち、道教一神教などの宗教世界、中国語と英語(名詞と動詞)といった言語の影響など様々なアプローチから認知過程に及ぼす影響を探っている。

もちろん著者はどちらかが勝っているという結論を導き出すのではなく、それぞれの強み弱みは把握し、われわれが向かう方向を探ろうとしている。