新版 自然界における左と右

自然界の法則を対称、非対称でひもとく本。
非常に面白い。


メモ
・らせん形を含んでいるものは全て非対称である。
・「子供」 人はインクのシミでできる鏡像や万華鏡を美しいと感じる。そのなかにある秩序を美しいと観る。 中世のエジプト芸術や宗教画も左右対称の構図が多い。
・人工物には対称軸が鉛直になるものがほとんど。
・「コリオリ効果」 北極に向かってまっすぐ飛んでいる飛行機は正面から右へ右へそれる。南極へ向かう場合は左にそれる。地球の自転 速さのせいで。
・動物は動きまわるようになったため前後の区別ができ、植物は重力のため上下の区別ができた。動物と植物の中間的な生物、ひとで、イソギンチャク、なまこも植物と同じく円錐対称をなしている。
・タコの眼の構造は人間のそれに似ていて、人間より良く見えるほどである。角膜、虹彩、水晶体、網膜、上下のまぶたまである。
・貝の螺旋は右巻きが多い。同じ種類の貝でも逆螺旋があり、それは収集家の間で珍重されている。
・人の臍の緒は必ず左巻き
・一卵性双生児は細部に渡って左右像。一方が右利きなら、一方は左利き。一方のツムジが右巻きなら、一方は左巻き
・H.H.ニューマン 人間の多児性
・生命というものは、炭素化合物の複雑な性質の一つである。
・生体内のアミノ酸はほとんど左巻き。自然界のアミノ酸は左右対称。
・非対称の物質を飲み込むと、非対称の身体に反応する一方の勝手は消化され、もう一方はさっさと排泄される。または、消化の速さが違ってくる。
・「ニコチン」 タバコは左勝手のニコチンを含んでいる。植物のタバコに左勝手のニコチンが含まれている。右勝手のニコチンは合成できるが、左勝手に比べてずっと害が少ない。
・自然界の化合物はほとんど対称か、右勝手と左勝手が同数ある。生物の内部では逆で、非対称炭素でいっぱいである。そして、それはたいてい左勝手
・「パスツゥール」非生物における対称と生物における非対称の対照が彼を魅了した。
・「オズマ計画」 知的生物を電波望遠鏡で探す計画1960年に開始。
・「パリティー保存の法則」 左と右どちらも優先することはない。
・「E.P.ウィグナー」 パリティーが保存することは、すべての力には左右の問題は入っていない。惑星が回転したり、玉突きの玉が衝突したりするようなマクロの世界でも、原子やそれ以下の世界でも保存されている。自然は完全に両手利きである。