風土―人間学的考察 (岩波文庫)

まだ途中。ちと早かったか。

メモ
・人間の根本構造 1*個人であり社会であること 2*空間性と時間性を持つこと 3*風土性と歴史性
・モンスーン域に住む人間は湿気と熱さに苦しむ。しかし、それに対抗心はよびおこされない。湿気は太陽が海の水を運び、大地の植物、動物に生を与えるもの。自然は対抗するものではなく、受容するものとなる。
・南洋は気候の変化が少ない。人間の気分の移り行きが少ない。南洋は豊かに食べ物を恵む。よって人間は単純に自然に抱かれるものとなり、文化的発展も少なくなる。
・砂漠的人間は、服従的であり戦闘的な性格。砂漠は人間寄せ付けない自然。対抗の精神を宿す。
イスラエル民族はもともと砂漠民族。水辺豊かなカナーン地を得て、農業、宗教を発展させた。が砂漠民族の精神である神への絶対服従と他民族に対する戦闘は以前健在。
・地中海は痩せ海である。砂漠の海、生物は黒潮のように豊かではない。しかし好天候で交通の海として機能。
・農牧生活から海へ出ることでギリシャが始まった。自然の拘束から己を開放して、生活自身をより高い形成にもっていく行動へと。最初は食料不足が起点だったかもしれないが、それが冒険、征服、権力へと向かった。
・ヨーロッパ 北欧 自然は従順。農作業も追い立てられない。一方ではあくまで法則を求めて精進する傾向が生まれ、一方には運を天に任せるあきらめの傾向が支配した。
・太陽の強さが輪郭の強弱になり、人間の現象への捉え方に影響する。輪郭をはっきり捉えるギリシャ人は物事を在るもの、無いものとはっきり捉え、輪郭をはっきり捉えれないイギリス人は不明部分を含んだ無限の空間として捉える。それが人間の主観性や精神にもつながる。