ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

動物の時間はそれぞれ違う。人に流れる時間もそれぞれ違うと思うと気楽になる。

・哺乳類の心臓の鼓動は一生に20億回。象であろうとネズミであろうと20億回。息をスーハーする回数は5億回。
・大きいものはちょっとした環境の変化にものともせず、長生きできる。これは優れた性質だが、この安定性があだとなり新しいものを産み出しにくい。
・サイズが小さければ暖めやすく冷めやすい。必要なときだけ高温にできる。だから小さいほうが、小回りがきいて省エネ。
・島の規則 閉じた島では象は小さく、ネズミは大きくなる。日本も同じで、巨人とよばれる偉人は出にくいが庶民の知的レベルは極めて高い。
・寿命はサイズによって大きく変わる。一生に使うエネルギー消費量は一定。短い命は激しく燃える
・なぜスクリューを使う動物はいないのか。それは、エネルギー効率の問題。スクリューは60%,ひれは80%以上。
レイノルズ数=慣性力/粘性力 レイノルズ数が大きければ粘性力は無視でき慣性力だけ考えれば良い。人間はレイノルズ数が大きい。ゾウリムシは小さい。
レイノルズ数 これ大事。大小違う縮尺を使うシミュレーションでは大事。
・脳のサイズが代謝率と比例するのはなぜか。答えは出ていない。
・動物では時間が体重の1/4乗に比例する。
・動物は、時間は体長の3/4乗に比例する。これをロボットの動きに応用するとどんな事がおこるだろう。
・細胞のサイズは一定。象であろうとネズミであろうと人であろうと約0.01mm
・都会人のやっていることは果たしてヒト本来のサイズにあっているのだろうか。頭でっかちになっているよ。同感。