お医者さん―医者と医療のあいだ (中公新書 208)

1970年に書かれたもの。これからの医療をどうするか書かれていて全うなことだと思うのだが、現在2006年。医療業界の流れの遅さを感じる。



メモ
・フランスの諺 「医者は山のような墓をつくる」
漢書 「病ありて治せず中医を得」
・日本の諺 「医者も若死に、坊主も地獄」
・なぜ医者がダラクしていると考えるのか。それは人々が救済の神の手を求めているから。究極は神を求めている。でも医者は神になれないから、そのギャップに怒る。
・病院は消防署と同じ。火事の数が多くて出動回数が増えると役に立っていると錯覚しがち。でもそれは社会のためになっているのではない。火事の原因になりそうなところを指

導してまわることこそ真の社会貢献。病院も予防に力を!
・病気であることが不幸なのてはなく、健康であることが幸福でもない。健康だと信じている状態こそ幸福なのである。
・医者は仏像つくりのようなもの。仏像つくりは真の仏を作ったわけではなく、人々は各々の心のなかの仏を拝む。医者は健康という偶像をつくり、真の健康を作っているわけで

ではない。
・誤診は正しいものへの前進過程。問題はそれに気付かないこと、それを隠すこと。
・評判、信頼は個人の医者になされるのではなくA医者とB医者の協力体制を作って医療全体が信頼されるようになるべき。
デンマーク ソーシャルドクター 町中をあるいて生活習慣、病気の相談予防をする仕事。