化粧せずには生きられない人間の歴史 (講談社現代新書)

化粧は何のためにするのか人類学的に捉えるとおもしろい。

メモ
・抑圧のなかにあるキリスト神学と抑圧のなかで本源的蓄積を可能にしたマルクス資本主義は、同じ穴のむじな。
形而上学化した一神教、権力の発生、国家の形成、資本主義形成、科学の発達 これすべて同型化。数を数え、論理で型をつくる。
・着衣は文明、裸は自然。 男は文明、女は自然。
・化粧はメーキャップ、身繕いはトイレット、化粧品はコスメティック
縄文時代赤と黒の化粧。日本書記で初めて白粉。
楊貴妃は太っちょ赤ら顔だった。
・「しろうと」素人は白人しらびと、しろとが変化した語。
・白玉の肌 白玉の傷 珠玉と白玉どちらも優れて美しいもの
・ファンデーションは酸化チタンや酸化亜鉛でできている。磁器陶器の原料カオリンやパール剤が混ざっている。
・欧米や韓国は見せる化粧。ファンデーションは塗らず、マスカラ、アイシャドー、アイラインで陰影はっきり。日本は隠す化粧。ファンデーション至上主義。文化の差あり。
・平安の化粧スタイルは表情を隠すもの、眉毛の位置を変えたり、しろぬりしたり、おはぐろしたり。
・「マックスファクター1世」の偉業
 ラードを使わないドーランを初めてチャップリンが使った。
 クローデット・コルベールのためにナチュラルメイクのフェースパウダー。
 ルドルフ・ヴァレンチノのたむに脂性症用ファンデーション。
 フェリス・フェイバーのために目が大きく見えるつけまつげ。
 マリーネ・デートリッヒのために極細アーチ眉用アイブローペン、リップブラシ。
・ばさら 婆娑羅 金剛という意味。派手で気高い。九州の方言と関係ある?
・何故、化粧をするのか?美しく見せるため。みだしなみとして。衛生のため。魔避けのため。祝祭の表現として。権勢を誇るため。共同体のしきたりとして。異性を引き付けるため。欠点を補うため。