情報学的転回―IT社会のゆくえ

中沢新一よりもストレートを投げる人。同意する箇所多し。



memo
・90年代は、競争とエゴイズムの追求。競争とエゴイズムの無条件の肯定
・いまの若者は本当に拝金主義か?大学生の使命感は無くなったのか?
・いまはすたれた身分制社会は、役割社会だった。お互いに役割を尊重してジャマしない社会。廃れた社会にも長く続く理由があり、利点がある。
ホモ・サピエンス誕生が十数万年前。文字の誕生が5千年前。
・インドの聖典 ブェーダ=ウパニシャッド哲学
・4つのヨーガ ラージャ・ヨーガは肉体修行により精神を鍛える、座禅みたいなもの
 バクティ・ヨーガは信愛の修行、愛さえあればってやつ
 カルマ・ヨーガは他者のために自分の身を捧げる、ボランティアみたいなもの
 ギャーナ・ヨーガは正しい知識を学習する、学問みたいなもの
コロンブスユダヤ人だった。ユダヤ人の安住の地を求めて航海した説。改宗ユダヤ人だから表向きはカトリック
儒教的精神の復活が日本人の復活になるか。お父様、いただきますの精神。
・20世紀の言語学的転回
 人間主体から言語へ
 歴史から構造へ
 実体から関係へ
・そこから生まれたのが構造主義記号学ポスト構造主義などの現代思想ソシュールが代表格。 ストロースが確立した。
ソシュール 未開のどんな民族にも、言語があり社会構造がある。そしてすべての言語は相対的である。
 言語は世界を宇宙を万物を文節化する。文節化とは物事を意味にわけること。その文節化の仕方は恣意的で、絶対的なものは存在しない。
言語学的転回は、哲学、文化人類学言語学などの文化系学問がベース。
 情報学的転回は、動物行動学、分子生物学認知科学情報工学などの理科系学問がベース。
・生物哲学者ヤーコプ・フォン・ユクスキュル 環世界論 = 客観的に実在する世界があってその中に動物がいるのではない。牛には牛ね世界があり、馬には馬の世界がある。
・あらゆる情報は、生物にとっての意味作用、相互作用である。つまりは生命情報。
 机は人間にとって書くもの、載せるものとして立ち現れ、ハエにとっては止まるものとして立ち現れる。
・シャノンの情報伝達論がわかりやすく書いてある。
河本英夫 オートポイエーシス
オートポイエーシス オートは自己、ポイエーシスはつくる。=自己創出系
・情報が伝わる=継続的なコミュニケーションが発生している と捉えるのが情報学。 その継続的なコミュニケーションを支える社会制度が、電話とかインターネットとか寄り合い会合とか
・生命情報とは、例えばまばたきをしているという状態
 社会情報とは、まばたきは1分間に5回で緊張するとおおくなると気づいた瞬間、生命情報から社会情報へ
 機械情報とは、それを文章にして記号化した物
・生命情報から社会情報を抽出するとき、何か怖いな という感じがする。余剰、不可解さが生み出す不安。自分ではどうにもならないものがあるなと。そこから霊性、神話、妖精、妖怪、が生まれる。
・効率化の行く末は、コンビニと券売機。 物物交換の間に入ったのが貨幣で、それによる弊害が、作った人への有り難みを感じなくなったこと。もっと効率化、システム化が進むと、貨幣でやり取りをするときでさえ、こんにちはに返事も返さず、ありがとうも言わず。券売機でその時間まで短縮しようとする。物には物自体に何かを渡し、受け取らなければならない。
ロシア正教は、全宇宙を支配するシステムを進化する人間がつくるべきという思想。コントロールするシステム=共同事業=共産=マルクスサイバネティクス=フィードバックによる自動制御
レジス・ドブレ ソ連崩壊の原因はメディア。印刷文書で語られる理想主義的な未来社会が、映像イメージで描かれた安楽な生活に敗れた。
共産主義文明がテレビメディアに負けたように、手書き文字のイスラム文明は、印刷文明の近代ヨーロッパ文明に負けた。
・じゃ複雑な変換をしなければならん日本語はIT文明に乗り遅れ消えるか。
・経験済みの未体験
・インターコミュニケーション2005秋号 デジタル化が生む余剰
認知科学者 フランシス・バレラ 身体化された心 工作舎