わがままな脳

脳科学者が語る脳にまつわるエッセイ。語り口はわかりやすくおもしろい。息子が中学3年になったら読んでほしい本のひとつ。


メモ
ニューロンとは電気をだしてモノを分泌する細胞。それによって情報が伝わる。
・細胞は細胞膜によって外と内の環境をつくる。濃度勾配と電気勾配の力で働く。でもその伝達速度は音速より遅い。そのため並列処理が編み出された。
・脳とは、世界をつくる臓器。
・脳の中の地図 言語地図 位置地図 内在モデルが世界をつくる。脳自体が区画されていることも世界と関係する。
・機能は構造から生まれ、構造は機能を反映する。
・脳の情報処理は階層的処理。一旦微分してから階層的に再構成する。だからこの世界も階層的。
・脳の並列システム 言語的システム 絵画的システム 空間的システム 論理的システム 音楽的システム 身体的システム 感情的システム
・IQは60%が遺伝。
ニューロン<コラム<モジュール
・意識は何のためにあるのか?自分の置かれた状況や記憶、知識をモニタリングするためかも。モニタリングという働きは、学習にはもとより、自分の行動を未来に向けて主体的にオーガナイズするのに重要。
・外部ワーキング・メモリとしての装置はどうあるべきか考える。人が思考し、創造するために広げるべき場所だから。前頭連合野のD1受容体にドーパミンを注入すると思考力が高まる。
・ワーキングメモリは何のために発達したのか?社会関係と採食行動をうまく営むため。ここが意識の起源かもしれない。
大脳基底核の左側は笑い顔、右側は泣き顔に関係する。
・顕在的記憶→海馬で形成→側頭葉で貯蔵
 潜在的記憶→大脳皮質の運動野で形成→大脳皮質の補足運動野で貯蔵
・つらい研究ができるのは、スリリングで面白く、人類の知的進歩や幸福に結びつくから。
・脳進化の要因 体重に対する脳重 美味を求める食性、果実食性のほうが脳重が重い。繁殖社会構造、ハーレム構造のほうが脳重が重い。伴侶を射止める性選択。より大きな群れをつくるサルほど大脳皮質が発達する。