美について (講談社現代新書)

美について 今道友信
かなり難しく書いてあるけれど、美についての考えるべき要素は大枠記載記載されていると思う。

memo
・芸は本当は『ウン』という音の農業用語で、雑草を刈るという意味。藝は種子を植え付けるという意味であるから、芸術は藝術と書くべき。
・真善美
真が存在の意味であり善が存在の機能であるとすれば、美は存在の恵みないし愛である。
・音楽は空間をメロディーに変質し、時間をリズムに変質する。
・日本の芸術の捉え方
 巧み、技、道。芸術は一つの技術である。
 古代ギリシャでもテクネーという言葉で表していた。テクニックが語源。その後、ギリシャ人はポイエーシス、すなわち創造を当てた。単なる実用的な効用とはことなった美的価値。
・ドイツでは
 手の技や出来ることを強調してアートとかクンストと呼ぶ。
 詩や文芸を創造の意味を込めてポエジーと呼ぶ。
 音楽をミューズの女神に由来してミュージックと呼ぶ。ヨーロッパは言い方で区別されている。
・西洋の芸術は古典理念はミメーシス。神の模倣。
 それが発展して内的世界の表現エクスペレシオンという現代的理念が現れた。
・東洋の場合の芸術観
 写意があって写生へ理念転換した。芸術の観念も時代でジグザクする。
・短歌や和歌の記述表現は写意。明治以後の長文詩は写生。
・東洋の美観ははかなさとかあわれとか弱さの美。
 西洋の美観は物に動じない力強さの美。
・強さの美
 はかなさ弱さの美
・生の肯定と否定
 生の躍動感と衰退感
 これが美の本質!