生命世界の非対称性―自然はなぜアンバランスが好きか (中公新書)

世の中全て螺旋であること、非対称であること。これ、地球が回っているからに違いない。
なぜ人間は対称を美しいと感じるのか。単なる思い込みか。


アミノ酸には鏡像関係にあるものがある。それの味を比べると違いがある。これを発見したのがパストゥール。
・キラルとアキラル
 手や足のように鏡像体の存在するものがキラル。しないものがアキラル。名付け親はケルビン
・植物は回転軸か螺旋軸を持ち、葉っぱといった部分で対称。動物は全体として左右対称。比較的高等な動物ほど左右対称が見られる。進化と対称性には関係がある?ミクロな化合物レベルでは非対称だからなんか関係してるんだろう。
・上下のバランスしかとらないクラゲから、左右のバランス、前後の進行をとった魚への進化。
・エナンチオマー
 鏡像体があるキラルな物体のこと。右手と左手の関係がある物体のこと。化学界でそう呼んでいる。もう一方のエナンチオマーが〜〜と使う。
・キリギリスの羽の重なり、フクロウの耳、クジラの頭蓋骨、ロブスターのハサミは、左右非対称。全体は対称でそこだけ非対称。
・パストゥールは地球の自転と地磁気の極性が物質をキラルにするんだと考えた。そう!オレも考えた。
・回転対称操作であればキラルであり、対称心、鏡面しか持っていなければ光学不活性。それは打ち消しあうから。
セントラルドグマ
 DNA→RNA→たんぱく質の順番で情報が流れること。一段目は転写、二段目は翻訳と呼んでいる
・分子レベルで見れば地球上の全生物はキラリティの片方からできている。従って生物が化合物と相互作用するときは靴と靴下の原理が働いて味や香りが違ったりする。しかし医薬品は混合物が含まれたままだ。左足しかない仮想の生物に右足の靴と靴下を与えても良いのだろうか?良いのかな?
サリドマイド事件は一方のエナンチオマーが悪さしたのが原因の一つ。