なぜITは社会を変えないのか

社会とテクノロジーとを融合する際の障害について示唆している。翻訳が悪いのか、内容は充実しているのだけど意味が伝わりにくい文章になってしまっている。



メモ

・社会的、政治的、経済的システムはゆっくりと直線的に成長するが、テクノロジー幾何学的に成長する。
・テクノロジーでできる理想を追うよりも、テクノロジー、デザインを社会に適応させる、つまりは社会心理に則した理想を描け。
・在宅労働は深海のダイバーに似ている。ダイバーは一人で潜れば潜るほど、海面と一緒に潜るダイバーとの絆を強くしなければならない。それをテクノロジーがカバー出来なければ在宅労働は無理?
・仕事のプロセスを縦軸、プラクティスを横軸と考える。成果を出すための直線的なプロセス、仕事の経験上生まれる遊び。遊びのなかの暗黙知
・「知識と情報の違い」
  1知識はそれを知る人がいて初めて知識となる。情報は人が介在しなくても良い。
  2知識は情報より分離するのが難しい。情報は記録し、蓄積し、数え、比較しやすいが、知識はそのように実体を伴うものではない。
  3知識は人が吸収して初めて知識となる。
暗黙知をうまく語った文 NASAがもしもう一度月に行きたいと思うなら、全くゼロからスタートしなければならないだろう。
・学習のしやすさには、それが社会的行動か個人的行動かが関係している。車の運転は、運転するまえにコミュニティの中で学習される。ビデオの予約はそれがない。
・自分には関係ないという発想はチャンスを逃す。
・違う文化のチームが交流するためには、共通の実体験と非公式のつながりが必要。
・縄張り意識ではなく、相互補完が大切。
・同じ種族が地理的に集結して生活すること。生態学の基本、防衛と発展の形態。
・図書館も新聞も雑誌も、ただの情報ではない。それは、選択、意味付けされたもの。メッセージ。周辺に付いている情報もある。そのメッセージは何ページ目か、章立てはどうなっているか、何年前のメッセージか、誰が書いたか。
・情報は力。文書は統治する者とされる者というイデオロギーを、理想論、利益、自分らで作った社会というものに置き換えるための力になった。
・文字は固定化でもあり、流動化でもある。文字はインクで固定化され、信頼性を増す。さらに文字はあらゆる媒介によって流動する。デジタルの世界では、流動化に拍車がかかり、固定化よりも別の手段で信頼性を増す必要がある。
・効率的なコミュニケーションデザインに必要なのはどれほど多くのことが言えるかではなく、どれほど多くのことを言わないままにしておけるか、である。
・大学という場も、ただの知識の伝達の場として見ずに、学習、知識、判断力、コミュニティ、組織などの複雑さを見るようになれば変化する。
・オンラインで取った学位とオフラインで取った学位では、知識の修得がちがう。現実世界のコミュニティでしか伝わらないことは将来も残る。
・大学が地域にねざすファクターを持っているということと、病院が同じファクターを持っていること。社会学的に見たときのコミュニティのありかた。オンラインとオフラインの違いを考えるべき。
・社会制度は移り変わるもの。自由市場経済、民主主義、知的財産権利なども変わっていく。初めから有ったものなど社会にはない。
・余白と周辺、体験とコミュニティ、組織と制度を見落とすな。組み入れてデザインしろ。