対称性人類学 カイエ・ソバージュ 5 (講談社選書メチエ)

人間の本質的な部分に何があって、どう変化してきたか、著者の言いたいことが明確な本。


メモ
・対称― 非対称 二項操作― 非二項操作 部分―全体 神話―科学
・三次元―高次元 クラインの壷
・「イグナシオ・マッテ・ブランコ 」分裂症研究で、対称の原理を理論展開。
・無意識とは何か 高次元とは何か 心とは何か を認知考古学的に、脳科学認知科学的にいいえていない。論理的に見えるが飛躍が有りすぎる。
・無意識はネアンデルタール人にはなかった?動物は無意識に行動しない? 猿は反射はあるし、夢も見るが。。。
・「贈与と交換」 贈り物には贈る人の魂が付着している。交換にはそれがなく人と人を分離する。
・「資本主義のパラドックス」 贈与から生まれる価値が強いエモーションを引き起こす。資本主義はお金が動き、豊かな幸福感が動いている錯覚を生む。資本主義は発達すればするほど、偽りの無意識の幸福感を生む。
・「一の原理」 滅びうるすべてのものが一である。一は限りある の記号。
・秘密智と自然智 男性智と女性智 ウィチョル族の女性談 「男たちはかわいそうに、あぁでもしないと智恵に近づくことができないのさ。ところが女は自然のままにそれを知ってる」
・人間や動物など意識のある存在を仏教では有情うじょうという。反対は非情。
・仏教は対称性の思考をする先行者である。
・「般若経」 仏教の思想は流動性知性にあると語る
 「華厳経」けごんきょう 流動性知性が作動する空の世界はどんなところか語る
・庭園というものは、それを生む文化の本質を映し出す。西洋庭園、日本庭園
・幸さち 境界を表すさと、霊力を表すち でさち。
・幸福 未来 対称性 芸術 ラスコーへ帰れ 無限 脱資本主義 パラドックスを是とする
・「ジョルジュ・バタイユ」 経済活動の原点は生産でなく、消費。消費とは破壊のこと。形あるものをなきものへ、食べ、死をもって神に捧げる。生産は死を目指しておこなわれる。死を目指す「死の衝動」タナトス
・無意識の心、ニュートラルな自然との関係性を無意識にもっている心が、思考、論理によってみうしなう。ハイデカーはこれを形而上学化とよんだ。