バイオポリティクス―人体を管理するとはどういうことか (中公新書)

どこから生命なのか。受精卵とか体外受精とかES細胞とかの問題なのだろうか。地球も活きているという人もいるし、それは人間の自己満足に過ぎないのだろう。たとえそれが法律になったとしても。


メモ
・バイオエシックス生命倫理
 バイオポリティクス=生命に対する政治的枠組 遺伝子、環境問題、社会生物学 進化心理学
・「ミシェル・フーコー」 20世紀近代形成に、結婚、誕生、死亡、健康の管理などの公衆衛生政策や人口政策の哲学的問題提起。
・遺伝子診断は、特定の病気に関する遺伝子因子の有無を調べて患者に告知する行為。
 遺伝子検査は、より広義の遺伝子配列のチェック。
・科学は予言者たりえるか。科学は間違いを起こさないと思い込んだ科学信奉者(世間)が混乱するだけ。数学的信頼がある限り混乱するだろうし、世間から数学的信頼を除いたら、神話的信頼しか残らない。予言者への信頼のほうが生物的かも。
・ヒトゲノム、胎児組織利用などの研究を行う製薬会社やバイオベンチャーは自社内に生命倫理諮問会議を設置して理論武装している。
・近未来を洞察するには、近現代史の身体観、生殖観、家族観、疾病観を再編してみると良い。そのとき文化圏の異なる諸外国との比較が重要。
米本昌平三菱化学 社会生命科学研究所 現在、科学技術文明研究所
 中村量空 複雑系の意匠

・「生命倫理と人間行動」人間の意識のなかで、こんな恐怖あんな恐怖をいろいろ考えて最善の選択、行動をしようとする。遺伝子情報取得後の恐怖が行動を起こす。地震も同じ。地震が怖いから地震予知情報を取得し、避けれるように行動しようとする。いづれは地球マントルを操作して地震を無くすように考える。そのとき、地球倫理を考えるはず。
・自分のこととして考えること。仕方がないと割り切ること。この二つの気持ちは相反するけど、バランスが大切。前者は物事を推し進めるときの基本。後者は人としての自分がやるべきでないこととしての割り切り。決して考えずに割り切るということではない。この二つの間の境界線を広げる努力をしたい。
・人間は知ってしまったらそれに対応しようとする。赤ちゃんも一度火傷したものは触らないように心がけるし、ものづくり工業製品だって問題が発見されたらそれを解決しようとする。
 遺伝子情報だって知ってしまったら予防、加工しようとするだろう。
 将来のことを知りたいという欲求がある限りそれは止まらない。