新訳版・思考と言語

子供の発達過程が気になったので読んで見ましたが、「子供の発達過程」を考えるということは、「生物の発達過程」を考えることに繋がることに気づいた書。

メモ
・「ピアジェ」 子どもが自己中心的、利己主義的な本能を避けようと努力する転換時期は7、8歳。
・感覚、経験、推理の充分な蓄積 現実的思考 自閉的思考 の順番で発達。
・「ピアジェ」 6、7歳までの子どもの発言の大半はが自己中心的。
・「ピアジェ」 3つの子どもの思考の方法 自己中心性 強制 協同
・「フロイト」 子どもの下部欲求 主観性 願望 遊び 気まぐれであり、快楽原理という。
・「シュテルン」2歳で、子どもは、全てのものに名前があることを発見する。
・「児童心理学の兆候」 子どもは2つの世界に生きている。すべての社会的なものは子どもにとって異質なものであり、外から押し付けられたもの。
・困難がないことは、必要がないこと、つまり意識もないことである。
・準同時的知覚とは、その場の複数の要素が同時に直接は知覚されないが、直接的な時間的接近において知覚されるか、すでに以前に経験したことのある場合、すなわち心理的機能のうえでの同時的。
・情動的ことばと意味伝達的ことばは区別して考えたほうがいい。チンパンジーとヒトの言葉の違いを考える際には。
・「ビューラー」 10 11 12ヶ月はチンパンジー的年齢段階。人間形成の初めに、ことばがあるとされるが、その前に道具的思考がある。自らの行動が主観的に意味づけられる。意識的、合目的的なものとなる。
・10 11 12ヶ月まで、思考とことばは相互に独立して発達する。2歳で2つの路線は交わり、思考は言語的となり、ことばは知能的となる。
・思考の発達 1情緒的思考 2道具的思考 3言語的思考。 ことばと思考の初期発達は直接結びついてはいない。子どもは、すべてのものに名前があることを発見する。
・科学的概念、生活的概念の発達 「ので」「のに」という接続詞を使うかどうかで見分ける。
・ことばの意味の発達過程 有意注意 論理的記憶 抽象 比較 区別
・話ことばの発達はコミュニケーションという動機がある。書きことばは、動機を自らつくりださなければならない。ゆえに発達が遅い。
・内言とは、1言語的記憶 2言語活動の省略 3言語になる前の内部活動 と様々。心理学者はことばの定義をしっかりしろ!
・対話形式と独語形式 話ことばは対話形式である。書きことばと内言は独語形式。話ことばは表情、ジェスチャ、抑揚などの音響知覚、視線が加わる。
・思考とことばは、意識の本性を理解する鍵。意識は、太陽が水の一滴にでも影響するように、言葉のなかで自己を表現する。言葉は、小世界が大世界に、生きた細胞が生体に、原子が宇宙に関係するように、意識に関係する。言葉は意識の小世界である。